2011年4月15日金曜日

教材「東日本大震災」無料ダウンロード開始です

いよいよ、グローバル・エクスプレスの教材「東日本大震災」を公開しました。


被災地や被災者を「教材」として扱うのではなく、学習者自身が感じたことを語り合い、思いを共有すること、他者の気持ちにや考えに気づくことを目的とした教材です。
また、震災に対するさまざまな気持ちを「未来に変えていく力」に変えられるように、震災後の世の中を考えます。
4つのワークシートとすすめ方、ポイントがセットになっています。

詳細とダウンロード方法はこちらのページをご参照ください。
http://www.dear.or.jp/ge/download.html

ぜひ、話し合う場、学びの場を広げてください。
また、もしかしたら(体力があれば)、「パート2」として、国際協力・連帯をテーマにしたものも出るかもしれませんので、引き続き、情報をチェックしてください。

2011年4月7日木曜日

チャリティ・ワークショップ開催しました!

4月2日(土)、ガールスカウト会館にて「DEARチャリティ・ワークショップ」を開催しました。当初40名だった定員は、週末であっという間に埋まってしまったので、急遽会場を変更し、定員を80名にしました。
ガールスカウト日本連盟さんの協力を得て、無料で会場を貸していただきました。この場を借りてお礼申し上げます。

参加者62名、スタッフ11名、総勢73名で、2つのワークショップを行ないました。
1つめは、DEAR一番人気の「ワークショップ版 世界がもし100人の村だったら」。制作者の一人であり、当会の副代表である上條直美さんが進行をしました。

まずは、あいさつで大きな声を出し、3人組で自己紹介。それから、そのまま大陸に移動すると、先ほど言語では一緒だった仲間がばらばらに。また、「字が読めいないこと」を体験し、「もし字が読めなかったらどんな問題があるか」をまた3人で考える。最後は富の分配。1枚を14人で分けるしかない最貧困のグループは力も奪われてシーンとなる一方で、42人で12枚をわける中間グループは大騒ぎ。それを傍観する富裕層。これだけ大きな格差があるとは、という驚きの声がもれました。

休憩をはさんで、「グローバル・エクスプレス」。タスクチームで教員の、本山さん、井手さん、津久井さんが進行をしました。最初に井手さんから今回の震災を受け、「まだ被災者の方が苦しんでいる状況で、教材として取り上げることにためらいはある。それでも、子どもたちや家族と話したい、という思いでワークを行いたい。」という説明がありました。
そしてまずは、「3.11」をふりかえりました。地震があった時、どこにいたか、何をしていたか、何を感じ、考えたか、そして、今、20日たって考えていること、についてワークシートに記入した後、みんなで共有しました。

さらに、震災後の新聞記事や写真を見て読み解いたり、世界各国からのメッセージを読み上げて、感じたことを共有しました。

最後には、これから、変わると思うこと、自分が変えたいと思うこと、についてみんなで話し合いました。以下のようなさまざまな意見が出ました。

  • 節電が重視されていく。
  • 自分たちが頑張ろうと思ったときに踏ん切りがつかなかったことを、やっぱりやってみようと思うようになるのではないか。
  • 秋田出身の方から、東北の方の気質について聞いた。
  • 東北の人は雪国で我慢強い人が多い。たまっているものを吐き出せる場所が必要なのではないか。
  • 今回の地震が東北で起きたが、他のところで起こる可能性もあるので、そのケアについて考えていく必要があるのでは。
  • ストレスについて、職場や学校で話し合うなど。

みなさんまだまだ話は尽きないようで、やはり、このようにみんなで話す場を作っていくことは重要だと感じました。振り返りシートには下記のような感想がありました。

▼今日学んだこと、気づいたこと「100人村」
  • 世界の現状を再認識できました。普段学校で先生から話を聞くだけで終わっていたので、ワークショップで深く考えることができました。
  • 大人数でダイナミックにできて面白かった。外国人児童の授業をみているのでやさしい日本語でやってみたい。
  • やはり知るだけではなく、身を持って体験し、自ら気づく大切さ。そして、そこから考え書いていく方へつなげたいと思う。
▼今日学んだこと、気づいたこと「グローバル・エクスプレス」

  • これまでお会いしたことの無い方(参加者とDEARのスタッフ)を震災についての思いを語り合い、共有できたことが何より一番大きな収穫です。何かを学べたかではなく、今日から明日から少しでも前を向いて生きていこう、働いていこう、活動していこうと気持ちが高まりました。
  • どういう未来を築いていくかが、被災された方々が報われるかどうかにかかってくる。
  • 後半のグループワーク、全体の共有で、自分が感じていたけど言葉にならなかったことが、言葉になったような気がする。
  • 参加型学習では考えがまとまっていなくても「話すこと」によって自己理解や気づきにつながると思いました。
  • 「話したい」という気持ちが湧いてきたこと、みなさんと気持ちを共有できたことが嬉しかったです。わたしは口数が多い方ではありませんが、それでも、あふれてくるものがありました。
▼明日から、これからやっていきたいこと

  • 授業です!今日のワークショップを参考にがんばってみます!
  • 被災者の方に必要なことを見極めて息の長い支援をしていけるように動いていきたい。
  • 傷を治すのは大事だが、二度と起こらないように予防することはもっと大事。
  • 中学の授業で生徒たちの思いを共有できるような対話の時間をとりたい。
  • 冷静さを保つ、支援や興味・関心を持続させる。
  • 誰もが初めて経験すること、誰もが不安に思っていること。この現実を受け止めて「みんなで共有する時間」を授業でつくっていきたい。そうすることで、自分たちの進むべき方向がみえてくるから。
  • 週2時間の授業で今日やったことを実践します。世界に目を向けることのできる人間を育てたいです。
  • 花見と楽しい節電
  • 今日のような場をつくっていきたい。
▼そのほか

  • 今回わたしにできることとして「学び得たことを伝えていくために」と思い参加しました。チャリティで勉強できるなんてすばらしい。このアイデアに花まるです!
  • このような時期にイベントを開催してくださり、本当にありがとうございます。
  • これだけ多くの人が集まり、国際協力や震災について何かしたいと考えていることに驚き、素晴らしいと思いました。
以上

今回の参加費155,000円はDEAR東北緊急募金として以下の三団体に寄付しました。

▼認定NPO法人 国際ボランティアセンター山形(IVY
東北広域震災NGOセンター開設し、他団体とも連携しながら緊急支援活動を行なっている。 http://www.ivyivy.org/news/ngoivy.html
NPO法人 地球のステージ(宮城)
宮城県名取市の東北国際クリニックを拠点に診療、避難所への移動診療を行なっている。現在は24時間体制で被災者の診療にあたっている。 http://www.e-stageone.org/
NPO法人 バニヤンツリー(秋田)
秋田に拠点を置き、被災地へ救援物資の送付や秋田県への避難者の支援を行なっている。 http://www.banyan-tree2000.com/

みなさまご協力ありがとうございました。
好評につき、4月末にもう一度開催予定です。今回参加できなかった方はぜひ!
そして、このような話し合いの場を各地で開催してください!

2011年4月4日月曜日

ニューヨークからのメッセージ

米国、ニューヨーク市にあるNPO「モーニングサイドセンター社会的責任を教えるために」(Morningside Center ~For Teaching Social Responsibility)より、DEARのメンバーに以下のようなメッセージが届きました。

モーニングサイドセンターはもともと、核戦争の危機を止めるために立ちあがった教員によってできたNPOです。子どもと一緒に身近な対立を考え、最終的には平和な社会を築くことを目的としたプログラム「創造的対立解決プログラム(RCCP)」の日本語版として『子どもとできる創造的な対立解決~実践ガイド』(DEAR、2010)が発行されています。

事務所長のトムは2007年の全研にも来てくれました。
DEARに募金をしたいという申し出もいただいています。本当にうれしいです。

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親愛なるDEARのみなさま

私たち、「モーニングサイドセンター~社会的責任を教えるために」はDEARのみなさんに愛と励ましをお送りします。

恐ろしい震災を受けて私たちの心はみなさんとともにあります。どうぞ、世界中に、そしてここニューヨーク市にも、みなさんのことを心配している友人や支援者がいることを忘れないでください。

私たちは、みなさんが活動を続け、お互いの取り組みや、重要な活動の中に、「支え」を見つけられていると信じています。
そして、みなさんが被災された方々に支援と情報を与え続けているということは、大きな励みになります。

どうぞ私たちに、みなさんの活動を支援するためになにができるか、教えてください。

心からの願いと連帯の気持ちを込めて

トム・ロドリック
モーニングサイドセンター 事務所長
スタッフメンバー 一同

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Dear member of DEAR,

We at Morningside Center for Teaching Social Responsibility send our
love and encouragement to everyone at DEAR.
Our hearts go out to you in the wake of this awful disaster. Please know
that you have concerned friends and supporters here in New York City  
as well as around the globe. 
We know that you will carry on and that you will find strength in each
other and in the important work that you do.
It heartens us to know that you are providing support and information
for others hit by the disaster.
Please let us know what we can do to support your efforts! 
With our warmest wishes & solidarity,

Tom Roderick
Executive Director
Morningside Center for Teaching Social Responsibility
475 Riverside Drive, Suite 550
New York, NY 10115

Morningside Center staff members:
Carmen Cabello
Lillian Castro
Ava Daniel
Leslie Dennis
Javier Diaz
Nelly Espina
Emily Feinstein
Tara Fishler
Yadira Garcia
Mariana Gaston
Bruce Gill
Emma Gonzalez
Deb Gordon
Den Gordon
Joyce Griffen
Yaritza Hernandez
Janice Marie Johnson
Carolina Kroom
Tala Manassah
Ann Mathews
Joe McCarthy
Laura McClure
Cora Miles
Brenda Soto
Kristin Page Stuart
Vanessa Tricoche
Marieke Van Woerkom
Joseph Yabyabin

2011年4月1日金曜日

世界地図でみる原子力発電と核廃棄物

人口や経済、エネルギー、食糧、宗教など、さまざまなカテゴリーを面積であらわした世界地図を提供しているサイト「World Mapper」に、原子力に関する地図も掲載されています。ヨーロッパ(上位10ヶ国)、日本・韓国、北米に数多くの原子力発電所があることをあらためて認識できます。
原子力発電の量を面積であらわした世界地図
http://www.worldmapper.org/display.php?selected=114
あわせて、核廃棄物の量をあらわした地図も見てみましょう。
こちらもすごい量です。
こんなにたくさんの核廃棄物、これから先も増えていくのでしょう。
そして、現在を生きるわたしたちがこの世からいなくなる世代にも引き継がれることでしょう。

核廃棄物の量を面積であらわした世界地図
http://www.worldmapper.org/display.php?selected=304
2枚の地図を見比べると、何か気が付きませんか?
1枚目(原発)に比べて、2枚目(核廃棄物)の北米のサイズが相対的に小さくなっているような。
イギリスは逆に大きくみえる‥。

この地図をみて
「新しくわかったこと、気がついたこと」
「核廃棄物はどうなるのか調べてみよう」
「1枚目と2枚目で違うところはどこ?それはなぜ?」
など、いろいろな問いかけができそうです。